現物取引とは
現物取引は、暗号資産の売買における最も基本的な方法です。ある通貨(通常はUSDT)を使って別の通貨(例えばBTC)を購入したり、保有している通貨を売却してUSDTに換えたりします。株式の売買と同じ考え方で、安く買って高く売り、その差額で利益を得ます。
先物取引とは異なり、現物取引にはレバレッジがありません。投入した金額分の通貨だけを保有するため、ロスカット(強制決済)のリスクは存在しません。
事前に必要な準備
現物取引を行う前に、以下の条件を満たしておく必要があります。
- BinanceアカウントでKYC(本人確認)が完了していること
- 現物アカウントにUSDTがあること(資金アカウントにある場合は、事前に振替が必要です)
- 購入したい通貨が決まっていること
買い注文の手順
ステップ1:現物取引画面を開く
アプリ下部 → 「トレード」をタップ → 「現物」を選択
ステップ2:取引ペアを検索する
取引画面上部の検索バーに、購入したい通貨の名前を入力します。例えば「BTC」と入力すると、以下のような取引ペアが表示されます。
- BTC/USDT(USDTでBTCを購入)
- BTC/BUSD
- BTC/FDUSD
- など
ほとんどの場合、BTC/USDT を選べば問題ありません。取引量が最も多く、流動性が最も高い取引ペアです。
ステップ3:注文タイプを選択する
注文エリアには、いくつかの注文方法が表示されます。
成行注文(Market): 現在の市場価格で即座に約定します。USDTでいくら分買いたいかを入力するだけで、システムが最適な価格で自動的に約定させます。
指値注文(Limit): 自分で価格を指定し、市場価格がその価格に達した時点で約定します。例えば、現在のBTC価格が65000 USDTの場合、64000 USDTの指値買い注文を出しておけば、BTCが64000まで下がった時に自動的に購入されます。
初心者には成行注文がおすすめです。 操作が最もシンプルで即座に約定するため、価格設定で悩む必要がありません。
ステップ4:購入金額を入力する
- 成行注文の場合:「金額」欄にUSDTで使いたい金額を入力します。例えば100と入力すれば、100 USDTでBTCを購入することを意味します。
- 指値注文の場合:まず希望する購入価格を入力し、次に数量または金額を入力します。
下部のパーセンテージスライダーも利用できます。25%をタップすると現物アカウント内のUSDTの25%分を使って購入し、100%にすると全額を投入します。
ステップ5:購入を確定する
内容を確認したら、緑色の「BTC購入」ボタンをタップします。
- 成行注文:確認ダイアログが表示され、確認後すぐに約定します
- 指値注文:注文がオーダーブックに入り、約定を待つ状態になります
ステップ6:約定結果を確認する
約定後は、以下の場所で確認できます。
- 取引画面下部の「ポジション」タブ
- ウォレット → 現物 → 対象の通貨を探す
売り注文の手順
方法1:取引画面から売却する
- BTC/USDT取引画面を開く
- 画面上の「売り」タブ(通常は赤色のエリア)をタップ
- 成行注文または指値注文を選択
- 売却するBTCの数量を入力(またはパーセンテージスライダーを使用)
- 赤色の「BTC売却」ボタンをタップ
- 確認後に約定し、USDTが現物アカウントに入金されます
方法2:保有資産画面から売却する
- ウォレット → 現物 → BTCを探す
- 「トレード」ボタンをタップ
- 取引画面に移動したら「売り」に切り替え
- 上記と同じ手順で操作
成行注文と指値注文の比較
| 項目 | 成行注文 | 指値注文 |
|---|---|---|
| 約定速度 | 即時 | 不定 |
| 約定価格 | 現在の最良価格 | 指定した価格 |
| 操作の難易度 | シンプル | 価格判断が必要 |
| 適したシーン | すぐに売買したい時 | 特定の価格で売買したい時 |
| リスク | 変動が大きい時にスリッページが発生する可能性 | 長時間約定しない可能性 |
スリッページとは? 成行注文を出した際、同じタイミングで大量の買い注文が集中すると、実際の約定価格が表示されている「最新価格」より若干高くなることがあります。BTC/USDTのような大型取引ペアでは、スリッページはほぼ無視できるレベルです。小型通貨の取引ペアでは、スリッページが目立つ場合があります。
注文の管理
未約定の注文を確認する
指値注文がまだ約定していない場合は、取引画面下部の「オープンオーダー」タブで確認できます。ここから未約定の注文をキャンセルすることも可能です。
約定履歴を確認する
取引画面下部の「約定履歴」タブで、すべての完了済み取引を確認できます。
注文をキャンセルする
指値注文は、約定前であればいつでも無料でキャンセルできます。注文の横にある「キャンセル」ボタンをタップするだけです。
手数料について
現物取引では、1回の取引ごとに手数料が発生します。
- 基本手数料率:0.1%(買いと売りでそれぞれ1回ずつ課金)
- BNB支払い適用後:0.075%
- 招待コード+BNB支払い適用後:0.06%
例: 100 USDTで成行注文によりBTCを購入する場合、手数料は0.1 USDT(基本手数料率)です。実際に受け取るBTCは約99.9 USDT相当になります。
手数料は購入した通貨から差し引かれます。例えば0.0015 BTCを購入した場合、実際に受け取るのは0.001499 BTC(手数料分が差し引かれた額)になります。
初心者がよくやる失敗
失敗1:値上がり時に買い、値下がり時に売る繰り返し
価格が上がったら買い、下がったら売る、という操作を繰り返してしまうパターンです。取引のたびに手数料が発生し、頻繁な売買で積み重なった手数料が元本を大きく侵食していきます。
失敗2:全資金を1つの通貨に集中投入
すべてのUSDTを1つの通貨(特に小型通貨)の購入に使うのは、非常にリスクが高い行為です。最低でもBTCとETHの2つの主要通貨に分散することをおすすめします。
失敗3:取引ペアを確認しない
通貨を検索した後、取引ペアをよく確認せずに購入してしまう初心者がいます。BTC/USDTではなくBTC/ETHを選んでしまっていた、というケースです。取引ペアごとに計価単位が異なるため、必ずUSDT建ての取引ペアを選んでいることを確認してください。
失敗4:小型通貨を成行注文で購入する
小型通貨は板が薄い(取引深度が浅い)ため、成行注文を使うと大きなスリッページが発生する可能性があります。小型通貨を購入する場合は、指値注文で適切な価格を指定することをおすすめします。
上級テクニック
お気に入り取引ペアの設定
よく取引する取引ペアをお気に入りリストに追加しておけば、次回からリストから直接アクセスでき、毎回検索する手間が省けます。
価格アラートの活用
取引ペア画面では価格アラートを設定できます。BTCが設定した価格まで上昇または下落した際に、アプリからプッシュ通知が届きます。これにより、ずっとチャートを見張っている必要がなくなります。
分割注文
買いでも売りでも、数回に分けて注文を出す方が一度にすべてを注文するより安定します。例えば500 USDT分のBTCを購入したい場合、異なるタイミングで3回に分けて買い入れることで、1つの価格帯に集中するリスクを軽減できます。